2022年1月30日日曜日

西武池袋線 データイムダイヤ(2021年3月13日改正)  ※ 過去のダイヤ

2022年1月30日 公  開
2022年3月12日 最終更新

▲下りダイヤ

▲上りダイヤ

■ダイヤ概要
 西武池袋線は厳密には池袋駅~吾野駅ですが、特急以外の大多数の列車は飯能駅で運転系統が切れているので、池袋駅~飯能駅のみ記載しています。
 日中は60分サイクルで運転しており、西武池袋駅を発着する列車は1時間あたり特急が1本、急行が3本、準急が3本、各駅停車が8本で、西武有楽町線に直通する列車は快速急行が2本、準急が2本、各駅停車が6本となっております。
 ダイヤサイクルは60分ですが、西武有楽町線直通の列車は30分サイクルとなっており、池袋駅を発車する列車についても急行2本、準急2本、すべての各駅停車が30分サイクルで組まれているのに加えて、特急急行準急が各1本60分毎に追加されるダイヤとなっています。(具体的には、池袋駅の発車時刻が急行は毎時20,50分、準急は10,40分、各駅停車は3,12,17,25,33,42,47,55分という30分サイクルのダイヤパターンに加えて、特急が毎時30分、急行が毎時0分、準急が毎時32分に発車する列車が挿入されているパターンとなっています。)
 上下線ともに練馬駅では池袋線・有楽町線・豊島線それぞれの列車の接続が図られており、石神井公園・ひばりヶ丘・小手指の各駅では緩急接続がとられたダイヤが組まれています。

■下りダイヤ
(池袋駅発の列車)
 特急は1時間に1本の運転で、所沢駅では準急飯能行きと接続します。また、飯能駅から先の西武秩父駅まで運転しています。
 急行は30分毎に運転される池袋駅毎時20,50分発のものと60分毎に運転される毎時0分発のものがあり、前者は東長崎駅で各駅停車を追い抜くという違いはありますが、緩急接続についてはいずれも石神井公園駅とひばりヶ丘駅で準急または各駅停車と接続をしています。また、所沢駅から先は各駅に停車しますが、所沢駅では所沢止まりまたは小手指止まりの列車の接続を受けています。
 池袋駅発の準急は30分毎に運転される池袋駅毎時10,40分発のものと60分毎に運転される32分発のものがあり、前者は練馬駅で西武有楽町線直通の快速急行(Fライナー)と接続し、ひばりヶ丘駅で急行の待ち合わせをしています。毎時40分発の列車は所沢止まりとなり、終点の所沢駅で後続の急行に乗り換えることができ、毎時10分発の列車は所沢駅で特急の待ち合わせをした後、飯能駅まで運転されています。後者(毎時32分発)は練馬駅で有楽町線直通の各駅停車と接続し、石神井公園駅からは各駅に停車するものの、石神井公園駅では保谷止まりの各駅停車を追い抜きます。そして、小手指駅まで先着し、小手指駅では快速急行飯能行きの待ち合わせをします。このように30分毎に運転される池袋駅毎時10,40分発の準急は練馬駅で快速急行に乗り換えることで池袋から石神井公園以遠へ向かう速達列車の代替として機能しつつ、石神井公園駅からは各駅停車としての役割を担っているいるのに対し、60分毎に運転される池袋駅毎時32分発の準急は石神井公園駅以遠の各駅停車の補完としてだけではなく、小手指駅まで先着する優等列車としても機能しています。個人的には32分発の対となる形で毎時2分発にも準急を設定(その代わり池袋駅毎時55分発の各停は保谷行き、練馬駅毎時0分発の有楽町線直通の各停は石神井公園行き)してもらえれば、池袋~小手指まで先着する列車が増えることで、池袋から練馬~小手指間の各駅を利用する場合の有効本数が増加するため、利便性が向上する駅が多いのにと考えています。
 池袋駅発の各駅停車は毎時8本運転されており、その内4本が豊島線に直通する豊島園行きとなっています。また、豊島園行きの各駅停車は半数が東長崎駅で急行の待避を行い、練馬駅では全列車が有楽町線直通の各駅停車と接続します。なお、池袋駅毎時55分発の各駅停車は小手指駅で当駅止まりの快速急行の接続待ちをするものの石神井公園~飯能駅間で途中の待避はありません。

(有楽町線直通の列車)
 快速急行は30分毎の運転で、練馬駅では西武池袋駅発の準急と、ひばりヶ丘駅で各駅停車と、小手指駅では準急または各駅停車と接続します。なお、半数は小手指止まりで、飯能駅まで乗り入れる列車は60分毎となっていますが、2022年3月のダイヤ改正で日中はすべて小手指止まりとなる予定です。
 有楽町線直通の準急は30分毎の運転ですべて保谷駅止まりです。練馬駅で西武池袋駅発の各駅停車と接続し、石神井公園駅では急行の待ち合わせをしています。
 有楽町線直通の各駅停車は毎時6本運転されており、その内4本は保谷行きまたは石神井公園行きで、練馬駅で西武池袋発の各駅停車豊島園行きと接続します。残り2本は小手指行きで、半数は練馬駅で池袋駅から小手指駅まで先着する準急と接続し、2本ともひばりヶ丘で快速急行の待ち合わせをした後、終着の小手指駅では後続の急行飯能行きに乗り換えることができます。

■下りダイヤ
(西武池袋行きの列車)
 特急は1時間に1本の運転で、飯能駅で当駅始発の各駅停車と接続していますが、下りと違い所沢駅での接続はありません。
 急行は毎時3本の運転で、飯能駅を出発した後は所沢駅まで各駅に停車し、いずれも所沢駅で後続の準急または各駅停車に乗り換えることができます。そして、ひばりヶ丘駅と石神井公園駅でも準急または各駅停車と接続しています。
 準急は毎時3本の運転で、2本が飯能駅発、1本が所沢駅発となっています。飯能駅発の内1本は小手指駅で快速急行の、ひばりヶ丘駅で急行の待ち合わせを行っており、他方はひばりヶ丘駅で特急の待避をしています。3本の準急の内、2本は石神井公園駅で各駅停車を追い抜いた後、練馬駅では快速急行の接続待ちを行っており、残り1本は練馬駅で有楽町線直通の各駅停車の接続待ちを行っています。飯能発の半数と所沢発の列車はひばりヶ丘駅で特急の待避があることを除けば、練馬駅で快速急行の接続待ちがあるのみで、待避の少ない列車になっています。
 西武池袋行きの各駅停車は毎時8本運転されていますが、4本が豊島園発の列車で、いずれも練馬駅で有楽町線直通の列車と接続しています。

(有楽町線直通の列車)
 快速急行は飯能発と小手指発がそれぞれ60分毎に運転されています。飯能発は小手指駅で準急と接続し、小手指発は小手指駅で飯能発の各駅停車の接続を受けています。いずれもひばりヶ丘駅で有楽町線直通の準急と、練馬駅で西武池袋行きの準急とそれぞれ接続しています。
 有楽町線直通の準急は60分に2本運転されており、下りはすべて保谷行きでしたが、上りはすべて小手指駅始発となっています。いずれもひばりヶ丘駅で快速急行の待ち合わせをして、石神井公園駅では当駅始発の有楽町線直通の各駅停車と、練馬駅で西武池袋行きの各駅停車とそれぞれ接続しています。

■まとめ
 西武池袋線は60分間隔のパターンダイヤですが、都心側では30分サイクルを軸としたダイヤとなっています。上下線ともに練馬駅では池袋線・有楽町線・豊島線の列車の乗り換えを意識した接続となっており、石神井公園駅・ひばりヶ丘駅・所沢駅ではしっかりと緩急接続がとられた利便性が高いダイヤになっています。
 1点だけ個人的な希望を申し上げると、準急が30分毎に運転されるスジと60分毎に運転されるスジの1時間あたり計3本運転されていますが、60分毎に運転されているスジを30分間隔とできればダイヤとしてはより分かりやすく、しかも特に下りでは多くの駅で有効列車が増えるというメリットもありますので、ぜひともと思っております。(単純に増発となるので難しいとは思いますが・・・)

2022年1月29日土曜日

近鉄名古屋線 データイムダイヤ(2021年7月3日改正)

 2022年1月29日 最終更新

▲下りダイヤ

▲上りダイヤ


■ダイヤ概要

 近鉄名古屋線は日中60分サイクルでダイヤが構成されています。1時間あたり特急が4本、急行が3本、準急が2本運転されており、普通は名古屋~塩浜間は3本(ただし蟹江~四日市間はうち2本が準急)、四日市~津新町間は2本運転されています。津新町~伊勢中川間は普通の運転はありませんが、その代わり急行が各駅に停車しています。
 特急は先述の通り毎時4本運転されており、その内2本は大阪線に直通して名古屋~大阪難波間を結ぶ特急(以下、名阪特急)で、残り2本は山田線に直通して名古屋~賢島・鳥羽・宇治山田間を結ぶ特急(以下、名伊特急)です。また、名阪特急は名阪間を津駅しか停車しないもの(以下、甲特急)と主要駅にこまめに停車するもの(乙特急)が交互に運転されており、名伊特急は日中すべての列車が主要駅にこまめに停車するタイプのものになっています。
 ダイヤについては、種別ごとの本数もばらばらであり、複雑そうな印象を受けますが、概ね20分サイクルのダイヤを軸として組まれており、下りは名阪甲特急以外の、上りは急行以下の種別の接続・待避パターンが統一されているダイヤとなっています。

■下りダイヤ

(近鉄名古屋~近鉄四日市)
 名古屋駅を発車する列車は毎時0分に名阪甲特急、毎時1,21,41分に急行、毎時6,26分に準急、毎時10,30,50分に乙特急、毎時11,31,51分に普通というように1時間毎に名阪甲特急が運転されることと毎時46分発に準急がないことを除けば20分サイクルで発車するダイヤとなっています。
 すべての列車が蟹江駅まで待避はなく、蟹江駅では名古屋駅41分発の急行普通津新町行きが接続をしています。この接続によって名古屋駅46分発に準急がないことで利便性が低下する富吉以遠の駅を乗車機会を確保しています。また、普通富吉行きは蟹江駅で後続の急行と蟹江駅から各駅に停車する準急に乗り換えることができます。
 準急は富吉駅で乙特急の待避があるものの、四日市駅までは急行の待避がないため、急行停車駅かつJR東海と競合している蟹江・弥富・桑名・富田・四日市の各駅(蟹江と四日市はやや距離がありますが)の有効本数増加にも寄与しています。名古屋駅46分発に準急がないことはダイヤのバランスが悪く、利便性の観点でも有効列車の間隔が歪になるため得策ではないとは思いますが、もし設定した場合四日市までに後続の甲特急の待避が必要となるため、四日市まで急行から逃げ切ることができないことを考慮して設定していないのだと思います。ただし、先述の通り前を走る急行が蟹江駅で普通津新町行きが接続していることで補完することで影響を最小限に抑えて対応しています。

(近鉄四日市~伊勢中川)
 四日市駅では準急または普通急行乙特急の2本と接続しています。準急はすべて四日市行きですが、普通に種別変更をして引き続き運転しています。
 塩浜駅までは各駅停車が毎時3本運転されていましたが、塩浜駅からは2本に減便されます。また、塩浜駅では津新町行き普通の半数が甲特急の待避をしています。そして、伊勢若松駅ではすべての急行乙特急の待避を行っており、白子駅ではすべての普通乙特急急行の2本と接続しています。
 白子駅以遠は江戸橋駅で1本の急行甲特急の待避を行う以外は、すべての列車が終点まで先着します。

■上りダイヤ

(伊勢中川~近鉄四日市)
 伊勢中川駅~白子駅間では下りと同様に江戸橋駅で1本の急行甲特急の待避を行う以外は、すべての列車が白子駅まで先着します。白子駅ではすべての普通乙特急急行の2本と接続しています。
 白子~四日市間は急行は途中で普通を追い抜くことはありませんが、急行普通ともに一部の列車が特急の待避を行っています。

(近鉄四日市~近鉄名古屋)
 近鉄四日市ではすべての普通急行と接続(一部は追加で甲特急の待避や乙特急との接続も)しています。なお、四日市行き普通準急に種別変更をしています。
 四日市~蟹江間では桑名駅で普通乙特急との接続を、半数の準急甲特急の待避を行っていますが、それ以外の待避はないため、運賃のみで乗車できる列車は実質すべて先着するダイヤとなっています。そして、蟹江駅ではすべての普通急行と接続し、すべての準急特急の待避を行っています。
 なお、下り同様準急は途中で急行に追い抜かれることはないため、四日市~蟹江間の急行停車駅から名古屋まで利用する場合は特急を除く有効本数が毎時5本あり、利便性が高いダイヤとなっています。

■まとめ

 近鉄名古屋線では60分サイクルで特急急行準急普通が運転されており、ダイヤサイクルが長く若干複雑ではありますが、普通運賃だけで乗車できる急行準急普通の接続パターンは概ね統一されているというのが特徴です。
 上下線ともに蟹江・四日市・白子で急行普通が接続するダイヤとなっており、それ以外の駅では特急以外の待避は行わないため、名古屋~蟹江、蟹江~四日市、四日市~白子、白子~伊勢中川の各区間は運賃だけで乗車する場合は全列車先着となります。さらに、上下線ともに準急は途中で急行に追い抜かれることはないため、急行停車駅かつJR東海との競合している蟹江・弥富・桑名・富田・四日市の各駅では名古屋駅を利用する場合は毎時5本の有効本数が確保されていることも特筆すべき点です。
 

2022年1月26日水曜日

東急目黒線 データイムダイヤ(2021年3月13日改正)  ※過去のダイヤ

2022年1月26日 公  開
2022年4月9日 最終更新

▲下りダイヤ
 
▲上りダイヤ


■ダイヤ概要

 東急目黒線は東京メトロ南北線都営三田線と相互直通運転を実施しており、日中は30分サイクルに急行2本(南北線直通1本、三田線直通1本)と各駅停車4本(南北線直通2本、三田線直通2本)が運転されています。なお、目黒線(目黒駅~日吉駅間)においては15分サイクルで急行1本と各駅停車2本とみなすことができます。ちなみに、田園調布駅~日吉駅間は東急東横線と並走する複々線区間となっており、各駅で乗り換えることが可能です。
 目黒線は2022年1月現在武蔵小山駅でしか緩急接続ができる駅がなく、日中は上下線ともにすべての急行各駅停車と接続しています。ただし、急行は目黒~武蔵小山間の通過駅は僅か1駅のみであることと、南北線直通の急行三田線直通の各駅停車と、三田線直通の急行南北線直通の各駅停車とそれぞれ接続していることを考えると、優等列車と各駅停車の緩急接続というよりもむしろ南北線三田線の接続という意味合いが強いかと思います。個人的にはこの緩急接続によって、武蔵小杉駅等の郊外の急行停車駅と都心間を利用する場合の有効本数が減ってしまっているので、急行のスジは多少寝てしまいますが、各駅停車を追い抜かなくてもいいのではないかと考えております。
 目黒線ではありませんが、南北線三田線は目黒駅~白金高輪駅を共用しており、白金高輪駅で合流・分岐をしています。そのため、南北線三田線ともに白金高輪駅を起終点とする列車が多数存在していますが、白金高輪駅では東急目黒線に直通する各駅停車と必ず接続がとられており、非常に便利なダイヤとなっているのも特徴です。

■まとめ

 東急目黒線は緩急接続可能駅が武蔵小山駅しかなく、日中はすべての急行各駅停車と接続しています。ただし、急行は目黒~武蔵小山間の通過駅は僅か1駅のみであるとともに緩急接続をなくすことで一部の駅での有効本数が増加することを考えると、あまり得策ではないのかなと個人的には考えています。
 また、東京メトロ南北線都営三田線と相互直通運転を実施しており、白金高輪駅にてそれぞれの列車が必ず接続するというよく考えられたダイヤになっております。

2022年1月22日土曜日

京成電鉄 データイムダイヤ(2021年3月27日改正)  ※ 過去のダイヤ

 2022年1月23日 最終更新

▲下りダイヤ

▲上りダイヤ

■ダイヤの概要

 京成本線は押上線、成田空港線、北総鉄道北総線とも直通しており、日中のダイヤは40分サイクルで構成されています。40分サイクルに運転されている列車は以下の通りです。

運行区間本数
スカイライナー京成上野 ~ 成田空港2本
アクセス特急羽田空港 ~ 成田空港1本
快速特急
京成上野 ~ 京成成田1本
羽田空港 ~ 青砥  1本
特急京成上野 ~ 成田空港1本
快速
京成上野 ~ 京成成田1本
京成上野 ~ 京成佐倉1本
普通
京成上野 ~ 京成臼井2本
 京成上野 ~ 京成津田沼2本
  羽田空港 ~ 印旛日本医大2本
 三崎口 ~ 京成高砂2本

 種別数が多く、運転区間も多様なので一見複雑なように見えますが、20分サイクルを軸にダイヤが構成されており、比較的シンプルなダイヤとなっています。特に本線・押上線では京成佐倉駅以西ではほぼ完全に20分サイクルのダイヤで、それ以外の区間でも本線の京成佐倉駅~京成成田駅間の快速特急、成田空港線内のアクセス特急が40分毎に入り込んでいること以外はほぼ等間隔で20分毎に利用できるダイヤです。

■下りダイヤ

(京成上野駅~青砥駅)
 京成上野駅ではスカイライナーが20分毎、快速特急または特急が20分毎、普通が10分毎にそれぞれ発車するダイヤとなっています。半数の普通は千住大橋駅でスカイライナーの待避をした後、青砥駅で押上線直通の快速に乗り換えることができ、残りの普通は京成小岩駅まで先着します。
 上野・日暮里から八幡方面へは20分に2本の乗車機会があるものの、有効列車の間隔が2・18分となっているので、正直なところ利便性が高いとはいえないかと思います。

(京成高砂駅~京成津田沼駅)
 この区間では快速特急または特急が20分毎、快速が20分毎、普通が20分に2本運転されています。半数の普通は京成小岩駅で快速特急または特急の待避があり、東中山駅ではすべての普通が快速特急または特急の待避をするか快速との緩急接続をとっています。そのため、パターン図をご覧いただければわかりますが、京成小岩駅~京成津田沼駅間では優等列車と各駅停車が概ね10分毎に運転されているダイヤとなっています。
 ただし、快速特急特急快速の停車駅は京成小岩駅・東中山駅・船橋競馬場駅に停車するかどうかの違いがあります。特に、東中山駅では普通の追い抜きを行っているため、この駅を跨ぐ利用については有効本数が半減する区間があるのが気になるポイントではあります(具体的には京成上野→京成西船、鬼越→八千代台など)。快速特急特急が東中山駅に停車すれば、有効本数が倍増する区間もあり、効果は大きいのかなとは思っております。

(京成津田沼~京成佐倉)
 京成津田沼からは普通が半減する代わりに快速が各駅に停車することで利便性を確保しています。京成津田沼駅~京成臼井駅間は優等列車が20分毎に、各駅停車が概ね10分毎に運転するダイヤで、この区間はすべての列車が先着します。

(京成佐倉~成田空港)
 京成佐倉駅からは特急も各駅に停車するようになり、約20分間隔で各駅停車(特急快速)が利用できるほか、40分間隔で快速特急も運転されています。ただし、快速特急は京成成田までの運転で、佐倉~成田間の速達性をピンポイントで確保した列車ということができます。(緩急接続等があるわけではないので、成田駅以外の恩恵は皆無ですし、成田駅自体も速達性が向上するだけで高砂・上野方面への有効本数は増えません。)

■上りダイヤ

 上りのダイヤは下りのダイヤをほぼほぼ反転させただけのダイヤとなっています。津田沼駅・東山中駅で優等列車が普通を追い抜くダイヤとなっており、多くの駅で10分または20分毎に乗車機会があるダイヤとなっています。
 下りでは快速特急または特急が普通を追い抜いていましたが、上りは小岩駅ではなく高砂駅で追い抜くダイヤとなっています。そのため、菅野~京成小岩間の各駅から上野方面へ利用する際には高砂駅で乗り換えることで速達性が向上しています。

■まとめ

 京成本線では多種多様な種別が設定されている上、40分サイクルのダイヤということで一見複雑そうに見えながらも、実態としては多くの駅で10分または20分間隔で利用できる工夫されたダイヤとなっています。
 ただし、快速特急特急が東中山駅を通過することで周辺の優等通過駅の利便性が半減していることや、京成佐倉~京成成田間の快速特急は効果が限定的であり本当に必要か(運転することで利便性が損なわれる駅はほとんどないので問題はありませんが)ということは個人的に気になる点として挙げさせていただきます。

近鉄京都線・橿原線 データイムダイヤ(2021年7月3日改正)

2022年1月22日 最終更新

▲下りダイヤ

▲上りダイヤ

■ダイヤ概要

 近鉄京都線(京都駅~大和西大寺駅)・橿原線(大和西大寺駅~橿原神宮前駅)は日中60分サイクルのダイヤで、特急急行普通の3種別が運転されています。
 竹田駅から京都市営地下鉄烏丸線に乗り入れており、大和西大寺駅からは奈良線への直通列車もあり、複雑な運行体系をしています。60分サイクルを採用していますが、15分サイクルや20分サイクルを軸としているわけではなく、緩急接続や待避がパターン化されているわけではないので、非常にわかりづらいというのが正直な感想です。
 また、近鉄の他路線では、遠近分離を重視したダイヤで、急行系の種別は大都市近郊では停車駅が絞られていますが、京都線系統では急行は全区間にわたってこまめに停車していくことが一つの特徴です。また、上りはすべての急行が、下りは4本中3本が途中特急を待避するダイヤとなっており、全区間先着する急行は僅かです。
 なお、種別ごとの1時間あたりの本数は以下の通りです。

運行系統京都
 ~竹田
竹田
 ~新田辺
新田辺
 ~大和西大寺
大和西大寺
 ~橿原神宮前
特急京都~橿原神宮前:2本
京都~奈良:平日1本、土休日2本
3本(平 日)
4本(土休日)
3本(平 日)
4本(土休日)
3本(平 日)
4本(土休日)
2本(平 日)
2本(土休日)
急行京都~橿原神宮前:2本
京都~奈良   :1本
国際会館~奈良 :1本
3本4本4本2本
普通京都~橿原神宮前:3本
京都~新田辺  :1本
国際会館~新田辺:2本
4本6本3本3本


■下りダイヤ

(京都駅~竹田駅)
 京都駅発の時点では特急奈良行きが30分間隔、特急橿原神宮前行きが30分間隔で、普通は約15分間隔で運転しています。急行は毎時3本の運転しかありませんが、普通1本が竹田駅で烏丸線直通の急行奈良行きと接続するため、その普通と合わせると概ね15分間隔で利用できるダイヤとなっています。
 京都駅~竹田駅間では半数の普通が上鳥羽口駅で特急奈良行きに追い抜かれるダイヤとなっています。上鳥羽口駅で待避がある普通の内、1本は新祝園駅まで、残りは大久保駅まで待避がありません。また、上鳥羽口駅で待避をしない普通は向島駅で必ず待避を行います。

(竹田駅~新田辺駅)
 竹田駅からは急行1本、普通2本が京都市営地下鉄烏丸線から乗り入れ、竹田駅では烏丸線直通の急行は京都発の普通と、烏丸線直通の普通の内1本は京都発の急行とそれぞれ接続します。
 竹田駅~新田辺間は普通が毎時6本運転されていますが、4本は向島駅で待避があり、大久保駅では1本が急行と接続します。向島駅で待避をする普通はすべて新田辺駅まで待避はありません。また、大久保駅では特急奈良行きが急行を追い抜くダイヤとなっています。

(新田辺駅~大和西大寺駅)
 新田辺駅からは普通の本数が半減し、毎時3本となります。この区間では普通の運転間隔が概ね等間隔(20分間隔)となっています。
 なお、新田辺駅は急行停車駅で、緩急接続も可能な駅構造ですが、急行普通の接続は毎時1回のみです。また、急行1本は新田辺駅で特急の待避があります。
 新祝園駅ではすべての普通急行と緩急接続をとっており、高の原駅では3本中2本が特急の待避をします。

(大和西大寺駅~橿原神宮前駅)
 大和西大寺からは半数の特急急行が奈良線へ分岐し、橿原線内は特急2本、急行2本、普通3本となります。橿原線内は平端駅しか待避可能な駅がなく、日中は普通3本の内、1本が特急の待避、1本が急行との接続に使用されています。

■上りダイヤ

(橿原神宮前駅~大和西大寺駅)
 橿原線内は下りと同様に、平端駅で普通3本の内、1本が特急の待避、1本が急行との接続をしています。それ以外の緩急接続や追い抜きはありません。

(大和西大寺駅~新田辺駅)
 この区間では、高の原駅で普通3本の内2本が奈良駅発の特急の待避を、新祝園駅で急行1本が特急の待避を行っています。
 なお、高の原駅で待避がない普通は大和西大寺駅~新田辺駅間は待避がなく、高の原駅で待避がある普通の内1本は向島駅まで待避がなく、比較的先着区間が長いのが特徴です。

(新田辺駅~竹田駅)
 新田辺駅では橿原神宮前駅発の普通の内2本が特急急行の2本連続待避を行っています。
 大久保駅では急行3本と普通1本が特急の待避をしており、急行普通の緩急接続はされていません。
 向島駅では普通6本の内5本が優等種別の待避をしています。なお、向島駅で待避をしない普通は新田辺駅~竹田駅間で待避はなく、そのまま烏丸線に直通して地下鉄京都駅・国際会館駅まで乗り入れています。

(竹田駅~京都駅)
 この区間では下りとは違い、途中駅での追い抜きはありません。そのため、すべての列車が向島駅から終点の京都駅まで先着するダイヤとなっています。

■まとめ
 近鉄京都線・橿原線は種別数は3種類と少な目ではありますが、60分サイクルのダイヤで、接続や追い抜きのパターンがまちまちということもあり、わかりづらいというのが否めません。また、大久保駅・新田辺駅・新祝園駅・高の原駅・平端駅など急行停車駅でなおかつ緩急接続可能な駅構造となっている駅が多いにも関わらず緩急接続が少ないため、急行通過駅の利便性も正直高いとはいえないのかなというのが個人的な感想になります。

2022年1月16日日曜日

阪急神戸線 朝ラッシュ時ダイヤ(2021年3月13日改正)

2022年1月16日 暫定公開

▲上りダイヤ

▲下りダイヤ

阪急宝塚線 夕ラッシュ時ダイヤ(2021年3月13日改正)

2022年1月16日 暫定公開


▲下りダイヤ


▲上りダイヤ

相模鉄道 データイムダイヤ(2021年3月13日改正)

2022年1月16日 暫定公開

▲下りダイヤ

 
▲上りダイヤ

阪急宝塚線 朝ラッシュ時ダイヤ(2021年3月13日改正)

2022年1月15日 公開  
2022年1月16日 最終更新


▲上りダイヤ

▲下りダイヤ


■路線概要

 阪急宝塚線は大阪の中心地である大阪梅田駅と兵庫県宝塚市にある宝塚駅を結ぶ郊外型の路線で、中間には豊中市をはじめ池田市や川西市といったベットタウンが広がっています。そのため、朝ラッシュ時間帯では梅田方面へ向かう上りの利用者が多いのに対して、宝塚方面へ向かう下り列車は比較的空いている印象があります。また、上り列車については先述の通り住宅地からターミナルへの利用が多いため、十三・大阪梅田に近づくほど混雑が増してくるのも一つの特徴です。(これらは郊外型路線の一般的にいえることです。)
 阪急電鉄の主要路線では、他に神戸線京都線がありますが、これらはそれぞれ大阪⇔神戸あるいは大阪⇔京都という大都市を結ぶ都市間路線であるため、ラッシュ時間帯でも両方向への需要が相当数ありますが当路線は片方向利用が主であること、神戸線京都線と比較してもJRとの競合が激しくないことも大きな特徴かと思います。また、優等列車でも連続的に停車するような停車駅設定がされていますが、特に川西能勢口~豊中間は利用者が非常に多い駅が連続している(しかもこれらの駅の利用者数にほぼ差はない)ことは他社を見渡してもこの路線特有の状況かもしれません。

■上りダイヤの全体像

 阪急宝塚線のダイヤは16分サイクルで組まれており、16分の間に、特急日生エクスプレス(以下、日生特急)・通勤特急急行準急・普通2本(池田駅始発と豊中駅始発が1本ずつ;以下、池田普通・豊中普通)が運転されております。京阪神を走る私鉄は各社ともラッシュ時間帯は多様な種別を設定しており、シンプルでわかりやすいダイヤというよりもきめ細やかな需要に対応したダイヤを組んでいるのが特徴で、当路線も同様です。ただし、宝塚線の場合、朝ラッシュの上り夕ラッシュの下り以外は土休日も含めて急行と普通の2種別しか運転されていないことを考えると相当なギャップを感じますね。
 先述の通り郊外型の路線ですので、都心に近づくほど列車本数が多くなり、遠近分離を考えたダイヤが組まれております。宝塚線ではそれに加えて、十三・梅田へはすべての駅で16分に2本以上の有効本数が確保されており、1本以上は乗換えや待避なしで利用できる非常に考えられたダイヤになっております。実際に列挙してみると以下の表のようになります。(実際に下記の駅から梅田へ行こうとする気持ちになって、ダイヤ図と並べてみてもらえるとわかりやすいかと思います!)

▼各駅から十三・大阪梅田への有効列車・有効本数一覧
発駅有効列車有効本数乗換え・
待避なし
宝塚~雲雀丘花屋敷急行★準急★2本2本
川西能勢口~石橋阪大前日生特急★通勤特急★急行★準急★4本4本
蛍池急行★準急★(・箕面普通※)2~3本2本
豊中通勤特急★急行★準急★・池田普通4本3本
岡町準急★・池田普通・豊中普通3本1本
曽根準急★・池田普通★・豊中普通★3本3本
服部天神・庄内・三国池田普通★・豊中普通★2本2本
有効本数と乗換え・待避なしの本数は16分(1サイクル)あたりの本数。 
★印:十三・大阪梅田まで待避なしで利用可能。
蛍池駅の※印:箕面発の普通はピーク前にのみ設定(詳細は後述)。
       豊中駅で通勤特急に乗り換えることで十三・大阪梅田まで先着。

 以上のように、郊外の駅から十三・大阪梅田への利便性を重視されており、遠近分離により利用者の分散を図るとともに都心への速達性も考えられたダイヤであると思います。

 それでは種別ごとにもう少し細かく見ていきましょう。

■上りダイヤの種別ごとの解説 (ダイヤ図と見比べながらご覧ください)

 特急日生エクスプレスは能勢電鉄の日生中央駅発で、川西能勢口駅から阪急宝塚線に乗り入れ、大阪梅田駅まで向かいます。以前は川西能勢口駅で2両を増結して阪急線内は10両編成で運転しておりましたが、利用者減少と停車時間短縮のため現在は能勢電鉄線内でも阪急線内でも8両編成での運転となっています。
 阪急線内では、川西能勢口・池田駅・石橋阪大前駅に停車した後は十三までノンストップ。大阪梅田駅と十三駅を除けば宝塚線内で最も利用者が多い豊中駅を通過する唯一の種別です。最速達種別として、都心からやや遠い能勢電鉄線内・川西市内・池田市内から梅田方面へ向かう列車としての役割があります。
 なお、ダイヤについては、川西能勢口駅等で後続の準急に乗り換えることができ、曽根駅で普通を追い抜きます。

 通勤特急は現行ダイヤでは宝塚線で唯一10両編成(他はすべて8両編成)で運転されており、川西能勢口駅始発で、池田駅、石橋阪大前駅、豊中駅、十三駅に停車します。急行との停車駅の違いは蛍池駅に停車するか否かという点のみですが、蛍池駅は8両編成までしか停車できないため通過となっております(他にも理由があるかもしれませんが)。なお、曽根駅で普通を追い抜きます。
 川西能勢口始発というのはおそらくですがJR川西池田駅との競合を考え、着席サービスと速達性を踏まえてのことだと思います。なお、雲雀丘花屋敷以遠から接続を受けることはありませんので、この列車を利用できる人は限られております。
 通勤特急は途中駅始発であることに加え蛍池を通過する等、他の優等列車と比較しても利用されにくい傾向にありますが、10両編成としているのは女性専用車両を設定しているため、雲雀丘花屋敷駅から出庫しやすく増結の手間も必要ないからということが考えられます。ちなみに余談ですが、2015年までは宝塚発の通勤急行(停車駅:石橋までの各駅、豊中、十三)が設定されていましたが、雲雀丘花屋敷で増結して10両編成で運転していました。通勤特急通勤急行の運転区間を短縮し、増結の手間を省くものとして置き換えられたという歴史的な背景もあるのかと思います。とはいえ、あくまで個人的な感想ですが10両編成というのは少しミスマッチなのかなとは思います。

 急行はいわずもがな宝塚線を代表する主力種別です。豊中まで各駅に停車しますが、雲雀丘花屋敷までの区間は利用者が少ないこともあり各駅停車としての役割を、川西能勢口~豊中間は宝塚線内でも利用者が多い駅から梅田方面への速達種別としての役割をそれぞれ担っております。なお、特急日生エクスプレス通勤特急と違い、途中普通を追い抜くことはありません。また、豊中駅から十三まではノンストップですが、池田駅始発の普通と接続していますので通過駅への利用もスムーズに乗り換えることができます
 こちらも余談ですが、先述の通り2015年までは蛍池駅を通過する通勤急行(雲雀丘花屋敷から10両編成)が設定されている他、箕面発の通勤準急(停車駅:箕面線内各駅と石橋、蛍池、豊中、十三)が設定されておりましたが、これらを統合する形で急行が設定されました。それまで朝ラッシュ時間帯には急行は運転されておりませんでした。

 準急は宝塚駅発で曽根までの各駅と十三、中津に停車します。神戸線の準急は中津駅には通過しますが、宝塚線の準急は停車します。理由はよくわかりませんが、ダイヤ上通過するメリットがほとんどなく、山本駅等から中津駅へ利用する場合を考えると急行準急を利用することになりますが、十三駅で待ち時間が比較的長くなってしまうことを懸念して停車しているのかと思われます。
 また、準急急行の補完をするとともに、岡町・曽根から十三・梅田への速達種別としての機能も持っております。岡町駅や曽根駅は準急が通過する庄内駅等と比較すると利用者は少ないですが、庄内駅等と比較して都心から離れていますし、庄内駅等は利用者が比較的多いからこそあえて普通のみの停車にして乗客を分散させることを目的として停車駅を考えているのだと思います。なお、急行同様途中で普通を追い抜くことはありませんが、豊中駅で始発の普通と接続しているため通過駅への乗り換えも考慮されています。

 普通は16分に2本設定されており、内1本は池田駅始発、残りは豊中駅始発となっています。いずれも途中待避は曽根駅で特急日生エクスプレスまたは通勤特急に追い抜かれる1度のみで、優等列車の比率が高いにも関わらず比較的待避が少ないです。宝塚線で普通しか停車しないのは服部天神・庄内・三国のみですが、この時間帯は曽根でしか待避を行わないので、この3駅から大阪梅田までは必ず先着することができ、待避パターンをよく考えられたダイヤとなっています。
 豊中駅始発の普通はピーク時のみに設定されており、ピーク前は箕面駅始発、ピーク後には1本のみ池田駅始発(いずれも豊中駅からは豊中駅始発の普通と同様のスジ)として設定されています。なお、箕面駅または池田駅発の場合は豊中駅で後続の通勤特急に乗り換えることができるので、蛍池駅からの有効列車として機能します。個人的な意見ですが、蛍池駅の利便性も考えて、豊中発の普通と池田発の普通はスジを入れ替えたほうがいいのではないかなと思います。

 完全に余談にはなりますが、ダイヤ改正を経るごとに箕面線に直通する列車が減っていますね。箕面線直通列車は以前は前述の通り通勤準急(停車駅:箕面線内各駅と石橋、蛍池、豊中、十三)がありましたが、現在では普通のみでしかもピーク前の設定となっております。そもそも需要が少なかったからなのか、運用の効率化なのか不明(おそらく両方なのでしょう)ですが、今後完全に廃止されることになるのか気になるところではあります。

 以上を踏まえ、下表で種別ごとに主な役割・機能を整理してみました。前述の通り種別ごとに明確な役割があり、これらが適切に棲み分けがされていることから、「きめ細やかな需要に対応したダイヤ」になっていることが少しでも分かっていただければ幸いです。

▼種別ごとの役割・機能
種別役割・機能
特急日生Exp.・能勢電鉄線内から十三・大阪梅田駅への利便性や速達性
・都心から比較的離れた川西市・池田市から梅田への最速達列車
通勤特急・川西能勢口駅始発による着席サービスと速達性の両立(JR川西池田駅への対抗)
・女性専用車両の増結
・利用者が多い主要駅から都心への主力種別
急行・宝塚~雲雀丘花屋敷間については各駅停車としての機能
・利用者が多い川西能勢口~豊中から都心への主力種別
準急・宝塚~雲雀丘花屋敷間については各駅停車としての機能
・利用者が多い川西能勢口~豊中から都心への
通勤特急急行の補完種別
・岡町駅・曽根駅から都心への速達種別
普通・利用者が多い豊中駅の着席サービス
・優等列車が停車しない服部天神駅・庄内駅・三国駅から大阪梅田駅への先着列車

■下りダイヤについて

 繰り返しにはなりますが、阪急宝塚線は郊外型の路線で、朝ラッシュ時間帯の利用は上りが主です。また、上りは宝塚駅~三国駅の各駅では降車より乗車の割合が高く、利用者は十三・梅田まで乗車する人が多いという特徴がありますが、下りダイヤについては乗車駅・降車駅ともに上りと比較すると分散傾向にあるかと思います。そのため、上りのような多様な種別を設定した複雑でかつ各駅から都心への利用を第一に考えたダイヤというよりも、下りは比較的簡素でどの区間も比較的平等に利便性が確保されたシンプルなダイヤが組まれています。

 ダイヤ図をご覧いただければ分かるかと思いますが、上り同様16分サイクルで組まれていますが、その内訳は急行が2本、普通が3本となっています。ダイヤ図では普通がすべて雲雀丘花屋敷行きと掲載しておりますが、実際は列車によって行先は異なりますので、詳細を知りたい方は阪急HP等の時刻表をご覧ください。なお、列車本数についてですが、上りは16分に6本設定されていますが、下りでは1本が回送列車として折り返します。これは、十三駅のホームドアが8両編成までしか対応しておらず、10両編成を営業列車として運転できないので上りの通勤特急は折り返し回送列車となります。
 急行は2本とも庄内駅で普通を追い抜きます。普通についても2本は当然庄内駅で急行の待避がありますが、1本は終着駅まで先着します。個人的な意見ですが、普通3本の内、2本は急行の直後を発車し、終着駅まで先着するダイヤとすれば、利便性は向上するかと思います。
 余談ですが、2015年までは上りと同様に朝ラッシュ時は急行ではなく蛍池を通過する通勤急行(一部は10両編成での運転/停車駅:十三、豊中と石橋からの各駅)が運転されていた他、箕面線への送り込みとして通勤準急(停車駅:十三、豊中、蛍池、石橋と箕面線内各駅)が設定されており、2018年までは準急箕面行きや準急雲雀丘花屋敷行きも運転されていました。

■まとめ

 阪急宝塚線は梅田という日本有数のターミナルと豊中や宝塚といった郊外を結ぶ路線です。そのため、朝ラッシュ時間帯は都心へ向かう上りの利用が多く、その中でも多数は十三・大阪梅田まで利用します。このことを踏まえ、上りは各駅から十三・梅田へ向かう利用を第一に考えるとともに、乗車駅ごとにきめ細やかな需要に対応したダイヤとなっています。具体的には、多様な種別が設定されているとともに、どの駅からも必ず十三・梅田へ先着する列車が設定されていることに表れています。その一方で、下りは上りと比較して利用者がそれほど多くないことや乗車駅や降車駅が分散傾向にあることから平等な利便性確保のためシンプルなダイヤが組まれています。

 本当によく練られたダイヤだと思いますが、個人的に気になるところを挙げるとすれば(非常におこがましい・・・)「①通勤特急の10両編成は必要か」「②池田駅始発の普通と豊中駅発の普通を入れ替えたほうがいいのではないか」「③下りの待避なしの普通を16分あたり1本から2本にできないか」ということくらいでしょうか。
 ①については、利用者目線では8両編成より10両編成の方がいいに決まっているし、事業者目線でも女性専用車両の設定と10両編成の増結の手間をなくすというメリットはあるのは承知していますが、他種別と比べあまり混雑していないのに長編成というところが引っかかるというくらいです。
 ②については、豊中駅始発の普通を池田駅始発にした場合、蛍池駅からの利用は当列車に乗車した上で豊中駅で通勤特急に乗車することができ、有効本数が増加します。蛍池駅ピンポイントではありますが、利便性が向上することを考えると始発駅を入れ替えたほうがいいのではないかと思います。あるいは①も踏まえて、通勤特急を8両編成化した上で蛍池駅にも停車(急行に置き換え)した方が話は早いのかもしれません。
 ③については8分毎に急行を運転しているため、3本ある普通の内2本が急行の直後に発車して終着駅まで逃げ切ることができれば、有効本数も増え、利便性が向上するのにと思います。当然折り返し等ダイヤ上の支障はあるかと思いますが。

 繰り返しにはなりますが、本当によく考えられたダイヤで見ていて面白いダイヤです。1つ1つに理由があり、利便性も最適化されているように思え、私も個人的に大好きなダイヤです。