2022年1月29日 最終更新
■ダイヤ概要
近鉄名古屋線は日中60分サイクルでダイヤが構成されています。1時間あたり特急が4本、急行が3本、準急が2本運転されており、普通は名古屋~塩浜間は3本(ただし蟹江~四日市間はうち2本が準急)、四日市~津新町間は2本運転されています。津新町~伊勢中川間は普通の運転はありませんが、その代わり急行が各駅に停車しています。
特急は先述の通り毎時4本運転されており、その内2本は大阪線に直通して名古屋~大阪難波間を結ぶ特急(以下、名阪特急)で、残り2本は山田線に直通して名古屋~賢島・鳥羽・宇治山田間を結ぶ特急(以下、名伊特急)です。また、名阪特急は名阪間を津駅しか停車しないもの(以下、甲特急)と主要駅にこまめに停車するもの(乙特急)が交互に運転されており、名伊特急は日中すべての列車が主要駅にこまめに停車するタイプのものになっています。
ダイヤについては、種別ごとの本数もばらばらであり、複雑そうな印象を受けますが、概ね20分サイクルのダイヤを軸として組まれており、下りは名阪甲特急以外の、上りは急行以下の種別の接続・待避パターンが統一されているダイヤとなっています。
■下りダイヤ
(近鉄名古屋~近鉄四日市)
名古屋駅を発車する列車は毎時0分に名阪甲特急、毎時1,21,41分に急行、毎時6,26分に準急、毎時10,30,50分に乙特急、毎時11,31,51分に普通というように1時間毎に名阪甲特急が運転されることと毎時46分発に準急がないことを除けば20分サイクルで発車するダイヤとなっています。
すべての列車が蟹江駅まで待避はなく、蟹江駅では名古屋駅41分発の急行と普通津新町行きが接続をしています。この接続によって名古屋駅46分発に準急がないことで利便性が低下する富吉以遠の駅を乗車機会を確保しています。また、普通富吉行きは蟹江駅で後続の急行と蟹江駅から各駅に停車する準急に乗り換えることができます。
準急は富吉駅で乙特急の待避があるものの、四日市駅までは急行の待避がないため、急行停車駅かつJR東海と競合している蟹江・弥富・桑名・富田・四日市の各駅(蟹江と四日市はやや距離がありますが)の有効本数増加にも寄与しています。名古屋駅46分発に準急がないことはダイヤのバランスが悪く、利便性の観点でも有効列車の間隔が歪になるため得策ではないとは思いますが、もし設定した場合四日市までに後続の甲特急の待避が必要となるため、四日市まで急行から逃げ切ることができないことを考慮して設定していないのだと思います。ただし、先述の通り前を走る急行が蟹江駅で普通津新町行きが接続していることで補完することで影響を最小限に抑えて対応しています。
(近鉄四日市~伊勢中川)
四日市駅では準急または普通が急行と乙特急の2本と接続しています。準急はすべて四日市行きですが、普通に種別変更をして引き続き運転しています。
塩浜駅までは各駅停車が毎時3本運転されていましたが、塩浜駅からは2本に減便されます。また、塩浜駅では津新町行き普通の半数が甲特急の待避をしています。そして、伊勢若松駅ではすべての急行が乙特急の待避を行っており、白子駅ではすべての普通が乙特急と急行の2本と接続しています。
白子駅以遠は江戸橋駅で1本の急行が甲特急の待避を行う以外は、すべての列車が終点まで先着します。
■上りダイヤ
(伊勢中川~近鉄四日市)
伊勢中川駅~白子駅間では下りと同様に江戸橋駅で1本の急行が甲特急の待避を行う以外は、すべての列車が白子駅まで先着します。白子駅ではすべての普通が乙特急と急行の2本と接続しています。
白子~四日市間は急行は途中で普通を追い抜くことはありませんが、急行・普通ともに一部の列車が特急の待避を行っています。
(近鉄四日市~近鉄名古屋)
近鉄四日市ではすべての普通が急行と接続(一部は追加で甲特急の待避や乙特急との接続も)しています。なお、四日市行き普通が準急に種別変更をしています。
四日市~蟹江間では桑名駅で普通が乙特急との接続を、半数の準急が甲特急の待避を行っていますが、それ以外の待避はないため、運賃のみで乗車できる列車は実質すべて先着するダイヤとなっています。そして、蟹江駅ではすべての普通が急行と接続し、すべての準急が特急の待避を行っています。
なお、下り同様準急は途中で急行に追い抜かれることはないため、四日市~蟹江間の急行停車駅から名古屋まで利用する場合は特急を除く有効本数が毎時5本あり、利便性が高いダイヤとなっています。
■まとめ
近鉄名古屋線では60分サイクルで特急・急行・準急・普通が運転されており、ダイヤサイクルが長く若干複雑ではありますが、普通運賃だけで乗車できる急行・準急・普通の接続パターンは概ね統一されているというのが特徴です。
上下線ともに蟹江・四日市・白子で急行と普通が接続するダイヤとなっており、それ以外の駅では特急以外の待避は行わないため、名古屋~蟹江、蟹江~四日市、四日市~白子、白子~伊勢中川の各区間は運賃だけで乗車する場合は全列車先着となります。さらに、上下線ともに準急は途中で急行に追い抜かれることはないため、急行停車駅かつJR東海との競合している蟹江・弥富・桑名・富田・四日市の各駅では名古屋駅を利用する場合は毎時5本の有効本数が確保されていることも特筆すべき点です。