2022年1月22日 最終更新
▲下りダイヤ |
■ダイヤ概要
近鉄京都線(京都駅~大和西大寺駅)・橿原線(大和西大寺駅~橿原神宮前駅)は日中60分サイクルのダイヤで、特急・急行・普通の3種別が運転されています。
竹田駅から京都市営地下鉄烏丸線に乗り入れており、大和西大寺駅からは奈良線への直通列車もあり、複雑な運行体系をしています。60分サイクルを採用していますが、15分サイクルや20分サイクルを軸としているわけではなく、緩急接続や待避がパターン化されているわけではないので、非常にわかりづらいというのが正直な感想です。
また、近鉄の他路線では、遠近分離を重視したダイヤで、急行系の種別は大都市近郊では停車駅が絞られていますが、京都線系統では急行は全区間にわたってこまめに停車していくことが一つの特徴です。また、上りはすべての急行が、下りは4本中3本が途中特急を待避するダイヤとなっており、全区間先着する急行は僅かです。
なお、種別ごとの1時間あたりの本数は以下の通りです。
■下りダイヤ
(京都駅~竹田駅)
京都駅発の時点では特急奈良行きが30分間隔、特急橿原神宮前行きが30分間隔で、普通は約15分間隔で運転しています。急行は毎時3本の運転しかありませんが、普通1本が竹田駅で烏丸線直通の急行奈良行きと接続するため、その普通と合わせると概ね15分間隔で利用できるダイヤとなっています。
京都駅~竹田駅間では半数の普通が上鳥羽口駅で特急奈良行きに追い抜かれるダイヤとなっています。上鳥羽口駅で待避がある普通の内、1本は新祝園駅まで、残りは大久保駅まで待避がありません。また、上鳥羽口駅で待避をしない普通は向島駅で必ず待避を行います。
(竹田駅~新田辺駅)
竹田駅からは急行1本、普通2本が京都市営地下鉄烏丸線から乗り入れ、竹田駅では烏丸線直通の急行は京都発の普通と、烏丸線直通の普通の内1本は京都発の急行とそれぞれ接続します。
竹田駅~新田辺間は普通が毎時6本運転されていますが、4本は向島駅で待避があり、大久保駅では1本が急行と接続します。向島駅で待避をする普通はすべて新田辺駅まで待避はありません。また、大久保駅では特急奈良行きが急行を追い抜くダイヤとなっています。
(新田辺駅~大和西大寺駅)
新田辺駅からは普通の本数が半減し、毎時3本となります。この区間では普通の運転間隔が概ね等間隔(20分間隔)となっています。
なお、新田辺駅は急行停車駅で、緩急接続も可能な駅構造ですが、急行と普通の接続は毎時1回のみです。また、急行1本は新田辺駅で特急の待避があります。
新祝園駅ではすべての普通が急行と緩急接続をとっており、高の原駅では3本中2本が特急の待避をします。
(大和西大寺駅~橿原神宮前駅)
大和西大寺からは半数の特急と急行が奈良線へ分岐し、橿原線内は特急2本、急行2本、普通3本となります。橿原線内は平端駅しか待避可能な駅がなく、日中は普通3本の内、1本が特急の待避、1本が急行との接続に使用されています。
■上りダイヤ
(橿原神宮前駅~大和西大寺駅)
橿原線内は下りと同様に、平端駅で普通3本の内、1本が特急の待避、1本が急行との接続をしています。それ以外の緩急接続や追い抜きはありません。
(大和西大寺駅~新田辺駅)
この区間では、高の原駅で普通3本の内2本が奈良駅発の特急の待避を、新祝園駅で急行1本が特急の待避を行っています。
なお、高の原駅で待避がない普通は大和西大寺駅~新田辺駅間は待避がなく、高の原駅で待避がある普通の内1本は向島駅まで待避がなく、比較的先着区間が長いのが特徴です。
(新田辺駅~竹田駅)
新田辺駅では橿原神宮前駅発の普通の内2本が特急と急行の2本連続待避を行っています。
大久保駅では急行3本と普通1本が特急の待避をしており、急行と普通の緩急接続はされていません。
向島駅では普通6本の内5本が優等種別の待避をしています。なお、向島駅で待避をしない普通は新田辺駅~竹田駅間で待避はなく、そのまま烏丸線に直通して地下鉄京都駅・国際会館駅まで乗り入れています。
(竹田駅~京都駅)
この区間では下りとは違い、途中駅での追い抜きはありません。そのため、すべての列車が向島駅から終点の京都駅まで先着するダイヤとなっています。
■まとめ
近鉄京都線・橿原線は種別数は3種類と少な目ではありますが、60分サイクルのダイヤで、接続や追い抜きのパターンがまちまちということもあり、わかりづらいというのが否めません。また、大久保駅・新田辺駅・新祝園駅・高の原駅・平端駅など急行停車駅でなおかつ緩急接続可能な駅構造となっている駅が多いにも関わらず緩急接続が少ないため、急行通過駅の利便性も正直高いとはいえないのかなというのが個人的な感想になります。